出典: 近畿大学 2016年度(平成28年度)推薦入試(一般公募)11月22日実施分より

 

問四

君自身に狩りたてられ
君自身の獲物となり、
君自身の胸に矢はつき立っている……

 

内容に最も近いものを

 

ア、彷徨と遍歴
イ、認識の絶対の痛苦のほか、何ひとつ残らなくなる
ウ、一種のタンタクルス(欲しいものが目の前にあっても手に入らない苦しみ)
エ、虚空のただなかに彷徨

 

傍線部ア〜エから要素(言いたいこと)を抜き出してみました。

 

次に傍線部③自体を見にいきましょう。
胸に矢はつき立っている……

 

これは要するに「苦痛」のことではないですか。

 

ア〜エを見ると、
ア、エ→彷徨(さまよう)系
イ、ウ→苦痛系

 

と大まかに分けられることはわかりますか。

 

ウ、は何か「対象」への働きかけ、その結果の苦痛ですよね。

 

なので、答えはイです。

 

非常に良い問題だと思います。作業の流れを日をあけて(2,3日)何度か確認するといいでしょう。

 
 

問五

難問、もはや悪問といっても差し支えないと思いますので、間違えても気にしないでください。

 

こういった問題を見抜くこと、気にせずに次へ行くことが大切になるかもしれませんね。入試問題、特に現代文ではこういった問題が必ず、どのレベルの大学にも一定数存在します。これはどうしようもない問題だと思いますので、本当に気にしないでください。

 

作問の意図としては最終段落最終文あたり、「カント哲学です。物自体としての官吏が、」ここあたりを扱えということなのでしょう。

 

解説などで「ここを読めば簡単に解ける、できないとダメだ」等と言われても気にしないでくさい。解答先行で話されていると思いますよ。

 

受験生レベルで、さらに試験時間の制約があるなかでこの解答領域は逸脱しています。よって繰り返しますが、解けなくてよいです。こういうものもあるのか程度の認識で十分でしょう。

 

基本的に、知識ちっくなことを聞かれたら難問だと思って問題にかかってください。少し考えてわからなければ、さっさと次へいきましょう。

 
 

問六

これは問五に反してイージーすぎる問題ですね。やはり問五は難問であると出題者も認識しているのではないですかね。とにかく絶対に落とせない問題です。

 

⑤人間のこしらえた「背後世界」

 

これに「あてはまらないもの」を選択する問題。「あてはまらないもの」を選択する問題にも難問がけっこう多いんですよね。なので身構えるかもしれませんが今回は易問でした。

 

選択肢にはいかないでくださいね。まずは傍線部を含む1文の解釈から。

 

第六段階は、いわゆる「真の世界」が⑤人間のこしらえた「背後世界」であり、「一つの寓話」にすぎない〜真の世界も仮象の世界もないニヒリズムの到来の現段階〜。

 

第六段階と書かれているので、一から五も気になりますが、選択肢へいきます。一から五の確認へいった人はむしろいい傾向だと思います。

 

1文から、
人間のこしらえた「背後世界」=一つの寓話(作りもの)にすぎない

 

ということがわかりますよね。

 

選択肢で作りものを探し、そうでないものが解答になります。

 

1、イデア世界
2、「約束の地」

 

この2つは簡単に消せますね。

 

3は少し迷います。残しつつ4へいきましょう。

 

4、真の世界も仮象の世界もない
→「寓話(作りもの)」という「背後世界」の存在にについて語っているので明らかですね。
→どちらかがないとダメでしょう。

 

3は「証明できない」ところがポイントですね。

 

間違えた人はしっかり確認しましょう。良問です。