出典: 近畿大学 2016年度(平成28年度)推薦入試(一般公募)11月22日実施分より

 

問三

問三 傍線部②はどういう「人間」か。最も適当なものを次の中から選び、その番号をマークせよ。

 

説明問題ですね。

 

傍線部②「人間

 

この「人間」にだけ線がひかれています。

 

傍線部を含む一文

まずは傍線部を含む一文を解釈しましょう。

 

ものが見えないのは、君が(つまり②人間が)邪魔しているのだ、とニーチェも言っているのだ。

 

この一文をみてもさっぱりわかりません。とりあえず、なにかを*邪魔している(−)のような人間なんですね。

 

傍線部前後の一文

傍線部前後の一文、段落内の一文を確認していきましょう。近いものからです。

 

・後文

人間が誇っている認識や概念のからくりを批判(−)〜所を得ているといえる。(中略)

 

・前文

これは決して厭世思想といったものではなかろう

→これは厭世思想ではない。

 

「これ」とはどれですか。

プラトンは、「人間のいとなみなど、どれもひどく真剣に取り組む価値はないと述べているではないか。

→プラトンが「人間のいとなみなど価値はない」と述べていること。ですね。

 

・段落頭

ここには「万物の霊長」といったホモー・サピエンス的人間観に対する嘲弄がふくまれている。

 

「ここ」とはどこですか。

自然がほんのわずか呼吸したかと思うと、その天体は凝固して、利口な動物どもは死滅せざるをえなかったからだ。

→自然が少し活動すると、利口な認識をしていると思っている動物(人間)はすぐに死滅する。

 

傍線部を含む一文の確認

・選択肢の前に、もう一度傍線部を含む一文の確認。

ものが見えないのは、君が(つまり②人間が)邪魔しているのだ、とニーチェも言っているのだ。

 

ものが見えないのは、〜が邪魔しているのだ。

 

「ものが見える人間」と「見えない人間」の対比構造は見えますか。

 

ものが見える人間→哲学者

見えない人間→人間的な人間(なにかが邪魔をしている)

 

選択肢へ

ここで選択肢へいきましょう。

 

1 逆ですね。

2 これも哲学的能力の話。つまり逆ですね。

3 認識や概念を形成することができることを誇る人間

4 〜に囚われない人間。つまり哲学者。なので逆ですね。

 

 

後文の「人間が誇っている認識や概念のからくりを批判」だけを見てなんとなく正解を選んだ人はよく解説を読んでください。そうでないと高得点で安定することはないと思います。

 

まとめ

ここまでしていて、本番では時間が足りるのか。と思われるでしょう。この流れで現代文を日々学習し、これが身につけば時間内に解くことはできます。かなり時間はタイトになりますが。ただ、どのテストになっても時間はタイトになる代わりに、現代文は作業化され、得点も高い水準で安定すると思います。これが勉強ではないでしょうか。